治療と仕事の両立支援の導入効果は?(2024/5/14)
治療と仕事の両立支援は、働き方改革や人材難への対応として注目されています。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、次のようなことが明らかになりました。
◆柔軟な働き方を支援するための制度の有無(複数回答)
柔軟な働き方支援制度についての導入状況は、次のようになっています。こうした制度を導入している企業では、制度を私傷病の治療や療養の目的として利用できるとする割合が高くなっています。
・「時間単位の休暇制度・半日休暇制度」 61.9%
・「退職者の再雇用制度」 42.3%
・「時差出勤制度」 40.4%
・「所定内労働時間を短縮する制度」 38.7%
・「在宅勤務(テレワーク)制度」 24.6%
・「フレックスタイム制度」 17.0% など
制度に関する自社の規程や運用ルールが適切なものとなっているか、確認しておきたいですね。
◆制度導入の効果
制度を導入した結果、平均でも6割近くの企業で、次のような効果があったと回答しています。
○制度利用に対して職場で協力する雰囲気ができた
○職場に多様性を受容する意識が浸透した
○社員全体の企業に対する信頼感が上昇した
○疾患を理由とする離職率が低下した
○日常的に事業継続体制が構築された
職場の雰囲気が良くなることは社員のエンゲージメントを高めるのに効果的でしょう。また、業務の見直しにもつながり、アクシデントや状況変化への対応力を高めることにも役立ちそうです。
◆GLTDの保険金負担状況
団体保険の一種で、病気やケガにより長期間に渡って就業が不能になったときの所得を補償する制度であるGLTD(団体長期障害所得補償保険)に加入している企業では、その保険料を全額会社負担している割合が61.3%となっています。
なお、傷病手当付加金がない企業では80.2%が、傷病手当付加金がある企業では38.6%が会社全額負担となっています。
【独立行政法人労働政策研究・研修機構「治療と仕事の両立に関する実態調査(企業調査)」】
https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/240.html
≪ 在宅勤務手当を割増賃金の算定基礎から除外する場合について通達が出ました | 「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」(経済産業省)が公表されています ≫