女性活躍のさらなる推進と職場におけるハラスメント防止対策の強化に向けて~厚生労働省 労働政策審議会の建議から(2025/2/6)
◆厚生労働省 労政審の報告
2024年12月26日、厚生労働省の労働政策審議会は、同年9月より雇用環境・均等分科会において行われてきた議論を取りまとめ、建議として公表しました。時限立法である女性活躍推進法が令和8年3月末に期限を迎えるにあたり、国際的にみてわが国の男女間賃金差異が依然として大きいこと(※1)やハラスメントの社会問題化が深刻であることなどを踏まえ、下記2つの大きな項目について、対応を強化すべきとしています。
※1 男女の中位所得の差を男性中位所得で除した数値について、米国が16.9%のところ、日本は22.1%
◆「女性の職業生活における活躍の更なる推進」と「職場におけるハラスメント防止対策の強化」が柱
「女性の職業生活における活躍の更なる推進」については、女性活躍推進法の期限を延長・事業主に求める情報公表の拡大を行うことや(※2)、えるぼし認定制度の見直し(※3)などの取組み推進を図るべきとしています。
「職場におけるハラスメント防止対策の強化」については、カスハラや就活セクハラの対策強化や指針への「自爆営業」の明記などを行うべきとしています。
※2 常時雇用する労働者の数が101人以上300人以下の企業について男女間賃金差異の情報公表の義務化・常時雇用する労働者の数が101人以上の企業について女性管理職比率の情報公表の義務化
※3 現行のえるぼし認定1段階目の要件の見直しおよび「えるぼしプラス」(仮称)の創設
◆今後の動きと企業に求められる対応
厚労省は、この建議の内容を踏まえて法律案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定としています。事業主には、男女間賃金差異や女性管理職比率の公開義務など法令対応だけでなく、積極的な対応(各種認定取得やカスハラ指針の作成など)を行うことで採用力・定着力の向上につながると期待されます。ぜひ、当事務所にご相談ください。
【厚生労働省「労働政策審議会建議『女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について』を公表します」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00016.html