令和4年分労働災害統計確定値が公表されました(2024/1/27)
◆労災の半数は第三次産業で発生
労災と聞くと製造業などが中心だと感じるでしょうか。しかし、令和4年の労災(死亡災害および休業4日以上の死傷災害)は、その半数以上が第三次産業で起こっています。
第三次産業の中でも、群を抜いて増えているのが社会福祉施設等での転倒や腰痛等(動作の反動・無理な動作)による災害です(平成29年比較で46.3ポイント増)。
また、景気の回復を反映して「接客・娯楽」業や、高齢者の就労する割合の多い「警備業」での労災も目立って増加しています。
◆年始は特に注意
これから1年で一番寒い時期を迎えます。また、年末年始の休みが明けて体を急に動かす時期でもありますので、労災には一番注意したい時期です。労働人口の高齢化と共に、いずれの業種でも、最近の労災で多いのは転倒によるものです。転倒の怖さは言うまでもないとは思いますが、たった一度の転倒で寝たきりになってしまうこともあります。
労災が多い、あるいは重大な災害が起きると労働基準監督署の調査が入ることになります。企業としての安全対策をきちんとしてない場合は、事故に対する事業主の責任が問われ、損害賠償訴訟等に発展してしまう可能性もあります。
◆労働者死傷病報告書の改正
少し先になるようですが、労災が発生した際に労働基準監督署へ提出する労働者死傷病報告書の様式が改正されます。事故の状況等について、より詳しく報告することになるとともに、提出方法も電子申請が原則となるようです。今後の情報に注意しておくとともに、労災事故のない職場にできるよう安全対策やルール作りを進めたいですね。
【厚生労働省「職場の安全サイト」~労働災害統計確定値(令和4年分)】
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/tok/anst00.html
≪ 70歳までの就業機会を確保する企業は約3割 ~厚生労働省「令和5年高年齢者雇用状況等報告」より | 令和5年労働組合の現況~厚生労働省調査から ≫